ライフステージの変化に伴う女性ホルモンとアロマテラピーの関係

こんにちはアロマセラピストのRicheです。アロマスクールで出された課題をブログにまとめてみました。少し難しい語句もあるかもしれませんが、アロマの学術的な研究についても触れてありますので、良ければ読んでみてください。

女性ホルモンの特性と女性の健康

女性の性ホルモンの生物学的特徴として、女性ホルモンは、月経から排卵、思春期から更年期などにより大きく変動するため、それを調整するシステムである間脳下垂体系を通じて、自律神経や情動、食欲、睡眠、免疫機能も変動しやすく、コントロールが大変な面を持っている。性ホルモンのコントロールタワーとなっている間脳(視床下部)、下垂体系や大脳辺縁系も、変動の影響を受ける。

月経から排卵に向けては、エストロゲン(卵胞ホルモン)作用により、気分も明るく、脳の記憶・判断昨日や自律神経機能、食欲、睡眠、代謝も安定するのに対し、排卵後のプロゲステロン(黄体ホルモン)分泌期には、気分が不安定で、神経過敏になり、気分障害が出やすく、消化・排泄機能の低下、食欲や睡眠の不安定などが起こりやすい。忙しく働く現代女性にとっては、イライラや情緒不安定、便秘やむくみ、過食や不眠、眠気は、不便でもあり、自信を失わせる原因ともなる。

現代女性の健康課題

現代の女性は、生物としての体の構造は変わっていないのに、子供をほとんど産まなくなり、寿命が延びていったために、ホルモンの変動や、ホルモンの消失によりデメリットを大きく被りやすくなった。そのため、女性の病気はそれぞれの年代に特徴的に現れる。

思春期から成熟期の月経関連のトラブル(月経痛、月経不順、月経前症状)、不安定な心身、食欲、睡眠の不調によるもの(摂食障害、不眠)、抑うつ、子宮や乳房の病気などがある。また、自分の健康を守り、自信を持ってライフプランに臨むための女性が持つべき基礎知識の欠如により、望まない妊娠や性感染症、子宮頸がん、HIV感染、性暴力被害などが若い女性に増加している。

フルタイムで働く女性にとって、働きながら、健康を維持することが困難である。男性が多く、男性が作り上げてきた職場で男性に合わせて女性が長時間働き続けることは大変である。いざ、妊娠をしたいと思ったときに子供ができない不妊も深刻な問題だ。

また、更年期の女性も、男性と同じようなメタボ検診を受けるのみで、コレステロールが上がってきた、血圧が上がってきた、太ってきた、などと心配することがあっても、その背景にある「女性ホルモンの低下」については、理解をされず適切なアドバイスも受けられていないのが現状である。更年期の場合は、健康問題、骨、関節、脳のトラブルが起きる。老年期女性の健康問題、骨、関節、脳のトラブルにおいても同様に、重点的に予防をする対策は取られていない。人は人生の後半において、女性は医療費がかかり(医療費のおよそ3分の2)、介護を受ける期間が長いからである。(男性の平均9年に対し、女性は13年)

一方、同じようなライフスタイルの変化を経験してきた欧米各国では、普段から健康相談を受けるような習慣「かかりつけ医」制度が1980年~1990年代に発達したのに対し、日本ではウィメンズヘルスケアが未整備の状態である。医師ではなくとも、「ヘルスケアプロバイダー」と呼ばれる医療やヘルスケアの専門家などが多く存在している。日常的に相談できる環境があるのと、ないのとではその国の女性の働きやすさ、中高年の健康度合は全く異なることは、諸外国では周知の事実である。

これからの医療・ヘルスケアとアロマテラピー

女性は男性よりも自律神経や、情動面、免疫系がホルモンの変動と共に揺れ動きやすく、これらの機能は、すべて繋がっているからこそ、女性の健康は包括的に考えていかなければならない。アロマテラピーは、その香り、芳香成分によって、大脳辺縁系、間脳下垂体系に直接働きかけることができるため、トータル的に介入できる可能性を秘めている。そのため、アロマセラピストが活躍できる範囲もとても広い。アロマセラピストはヘルスケアの専門家である自覚をもって、女性の心身と生活(人生)をトータルに支援することができる。単に知識や経験があるだけでなく、現代女性のおかれた環境や女性心理・ホルモン特性について、またこれからの日本の女性が目指す方向性について、深い理解と支持的な姿勢を持つことが必要である。今後も知識や経験を活かし、更なる研鑽をしていきたいと思う。

脳と女性生殖器との関わり

女性生殖器は視床下部から下垂体(下垂体前葉)、下垂体(下垂体前葉)から卵巣という一連のホルモン調節機能に支配されている。女性ホルモンを整理すると、次の通りになる。視床下部から下垂体に分泌されるホルモンは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RHゴナドトロピン)、下垂体から卵巣に向かって分泌されるホルモンは2種類ある。一つは、卵胞ホルモン(FSH)、もう一つは黄体化ホルモン(LH)。LHは排卵を誘発する働きも持つ。卵巣から分泌されるホルモンも2種類あり、一つは卵胞ホルモン(エストロゲン)、もう一つは黄体ホルモン(プロゲステロン)である。

卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きは、黄体形成ホルモンの分泌を促したり、子宮内膜の再生を促したりする他にも、乳房のふくらみ、髪のつや、肌の張りなどの女性らしさを作る働きもある。また、骨の健康や血液循環にもかかわる。そのため、閉経後のエストロゲン減少は骨粗しょう症、脂質異常症、動脈硬化、泌尿器系疾患などにも影響する。黄体から分泌されたエストロゲンは、プロゲステロンと共同して受精卵の着床や妊娠の維持を助ける。エストロゲンのピークは、1周期に2回あり、卵胞期(卵胞成熟)は増殖期、黄体期(黄体成熟)は分泌期となる。

また、黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜を受精卵が着床するのに適した状態(子宮内膜を厚く、柔らかくする)にしたり、月経前症候群といわれる各種の不調に関係したりする。プロゲステロンは、主に黄体で形成され、分泌される。また、排卵後の基礎体温上昇(高温期)に(体温0.3~0.5℃の変化)関わっている。プロゲステロンのピークは、1周期に1回であり、黄体期(黄体成熟)はエストロゲン同様に分泌期となる。エストロゲンとは異なり、卵胞刺激ホルモン(FSH)・黄体化ホルモン(LH)分泌の抑制指令を出すというフィードバック機能も持つ。

また、妊娠成立後には、次のような変化が各ホルモンによってもたらされる。エストロゲンは乳汁を発育させ、プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)は乳汁を作る。乳汁を分泌させるのは、オキシトシンというホルモンである。妊娠中はエストロゲンがプロラクチンの作用を抑制しているが、分娩後にプロラクチンとオキシトシンが増加し、乳汁を分泌させる。授乳中は、新生児の乳頭吸引刺激がオキシトシンをさらに増加させることで、乳汁分泌が増加する。

このように、女性は年代によって、また時期によって体が変化するため、変化に伴う不調を緩和させるのにアロマテラピーは有効であることがいえる。

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月経困難症、生理不順とアロマテラピーの関わり

月経の平均周期は28日間だが、成人では21日~35日間までの幅がある。初潮は、8歳~15歳までの幅があり、通常は12歳までに始まることが多い。月経は妊娠しなかった場合に、子宮内膜が剥がれ落ちることで起きる。2日~7日間ほど続いて、平均10ml~80mlの経血が失われる。正常な月経周期があることは、体が正常に機能し、ホルモンバランスが整っていることを意味している。月経周期は閉経期まで続き、通常は45歳~55歳の間に閉経が起きる。生理不順は、痛みを伴う月経困難症と同様に、月経の停止(無月経)から月経の頻繁な不順(月経過多症)まで様々ある。異常子宮出血は正常な月経のある期間に起きる通常よりも長く重い出血であると定義されている。それには、ホルモンバランスの乱れ、膣や子宮の感染、ポリープ、子宮筋腫、ある種がんなど、数多くの要因がある。月経困難症はプロスタグランジンレベルの上昇や、子宮筋腫、子宮内膜症が原因である可能性がある。症状としては、下腹部や腰の鈍い疼痛で、月経の直前や初日に痛みが生じる。若い女性に多く、思春期女性の約68%が患っている。無月経については、15歳までに初潮がない、あるいは月経がはじまっても連続3か月間ずっと生理がない状態を指す。原因は極端な減量、摂食障害、過度の運動、ストレス、妊娠、無排卵、多嚢胞性卵巣症候群のような深刻な状況もある。卵巣が正常な量のエストロゲン分泌をしなかったか、エストロゲンよりも他のホルモンの分泌量が相対的に増加した可能性も考えられる。エストロゲンとプロゲステロンは、生理周期を通じて様々なパターンで一緒に作用する。時にはエストロゲンがプロゲステロンより多くなり、時には逆のパターンになることもある。また、月経停止の頻度が多くなるのは、エストロゲンのレベルが高くあり、プロゲステロンのレベルが低くなることと関係しているとの説もある。またエストロゲンのレベルが低くなると、偏頭痛が誘発される場合もある。エストロゲンレベルが低い時(黄体期)は、高い時(卵胞期)よりも、甲状腺内の血流速度が遅くなると言われている。生理痛、生理不順の緩和のために精油を使用する手法は様々あり、状況によって使用するものも異なるが、精油が月経困難症の疼痛を減少させることをいくつかの研究によって明らかにされている。

研究例1

ラベンダー、クラリセージ、ローズをスイートアーモンドオイルにて希釈。生理痛が起きた際に腹部に擦り込む。何もしなかった場合やスイートアーモンドオイルだけの場合よりも、痛みが緩和されることが分かった。別の研究では、痛みを伴う月経の際に、ラベンダーを使ってマッサージしたアロマテラピーの効果を調べ、精油を用いたマッサージには、月経困難症を統計的に優位な率で減少させる効果があることを見出した。

研究例2

シナモン、クローブ、ローズ、ラベンダー精油をそれぞれ、1.5:1.5:1:1の割合で混合し、スイートアーモンドオイルで希釈して5%濃度にしたブレンドオイルを用いて、月経前の7日間に腹部をマッサージしたところ、このアロマテラピーを受けたグループの方が月経痛のレベルも痛みが続いた期間も少なかったことが分かった。

以上の結果からも分かるように、アロマテラピーは女性の人生に非常に密接に関わることが可能であると言える。女性の体の仕組みを知り、体調の変化に合わせて精油やキャリアオイル、またそれを用いたトリートメント手技を取り入れていくことは有効な手段である。知識を深め更なる研鑽に励みたいと改めて感じた。

 

◆参考文献

・対馬ルリ子『女性の健康―特性とライフスタイルの変化からの考察』,フレグランスジャーナル社,2015

・クリスティ・ボンズ―ガレット『月経困難症、生理不順と精油についての考察』,フレグランスジャーナル社,2015

・坂本幸香『アロマテラピーインストラクター試験対策&問題集』,株式会社マガジンランド,2015

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